土方歳三の刀には堀川国広が有名! その作成者はどんな人だった?

新選組副長・土方歳三の刀、といえば「和泉守兼定」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

最近は刀剣乱舞によって知名度を上げているみたいですので、一概にそうとは言えませんけども。

「堀川国広」というのは一尺九寸五分の脇差のことなんですね。

 



ちなみに、この長さは約59㎝にあたり脇差では長い方にあたります。

土方の愛刀「堀川国広」とは、どんなものかみていきましょう。

 

堀川国広を所持していた土方歳三

人の名前で戸惑った方もいるかもしれません。

刀には刀工の作品を名前としてつけることもよくあります。

つまり、「堀川国広」という刀工が作った脇差ということなんですね。

この脇差は当時でも高価なものだったといいます。

 

ただ残念なことに兼定のように現存しておらず、手紙の中の文字でしか存在を確認することができません。

土方歳三の死後日野に、堀川国広が戻ってきたという記録はありません。

 

刀「堀川国広」の簡単なプロフィール

  • 堀川国広が作った刀
  • 晩年は弟子による代作も多い
  • 一条堀川に定住後は作風が異なる

堀川国広は新刀を代表する名工

では、土方歳三の脇差「堀川国広」を作った刀工とはどのような人だったのでしょうか。

 

堀川国広は姓を田中、名を金太郎と称したと言われています。

1531年に日向国飫肥にて生まれました。

飫肥城主だった伊東家に仕えましたが、主家が没落したために諸国を遍歴しながら技術を磨いたといいます。

 

国広は新刀を代表する刀工でした。

埋忠明壽(うめただみょうじゅ)と比肩し、新刀の祖と讃えられています。

慶長4年から京都の一条堀川に定住しました。

 

国広が生きていたころから名声は高く、多くの大名や武将が注文を出していたそうです。

彼の作品には重要文化財指定品になっているものもあります。

優れた刀が多いことをうかがえますね。

また、国広は教育者としても優れており、優秀な弟子たちを世に送り出しています。彼の名声を上げているのは堀川一門と呼ばれる弟子たちを育て上げたことも一役買っています。

実は贋作だった!?

さて、そんな「堀川国広」ですが土方のものは贋作だったという説があります。

堀川国広の作った刀は非常に効果であり、幕末でも相当な値段だったと予測されます。大名クラスでも手に入れるのは骨が折れたという話です。

それを富農のもとに生まれたとはいえ、土方の身分で持てたのだろうか、ということから贋作説が出ているわけですね。

 

近藤勇の虎徹同様に土方の刀も偽物ではないか、という考えがあっても何ら不思議はありません。

しかし、この堀川国広は入手時期にあっては本物の可能性がなくはないでしょう。

手紙での記述から考えると池田谷事件以前の入手となりますが、京都で手に入れたものだとするならば虎徹よりは本物の可能性があります。

 

もしくはまだ有名でないころの国広の作品だった……とか?

日本刀も作られる時期によって、もしくは弟子が代作したとかで値段は変わりそうなものですしね。

 

とはいえ現存しないため、確かめることはできないのが残念です。

 

名刀の要件とは?

では仮に「堀川国広」が本物だったとしましょう。

観ることは叶わないため、少しでも想像の余地を広げるために名刀の要件を調べてみました。

 

名刀の評価は、今も昔も識者の鑑定がモノを言います。

鑑定の歴史は平安時代にまでさかのぼります。

平安時代から室町時代までに鑑定書が存在していたかは定かではありません。

が、戦国時代では「極札」という鑑定証明が作成されていました。

 

刀剣は贈答や祭祀にも使われることから正しく格を判断しなくてはなりませんでした。

そのため、室町時代以降は高い鑑識眼を持つ人が幕府に重用されるようになりました。

 

現在では団体によってそれぞれの審査基準で鑑定されているみたいですね。

調べても明確な基準はないようです。

 

まとめ

簡単にまとめておきますと、

  • 土方所有の脇差「堀川国広」は今や現存しない
  • 刀工、堀川国広は新刀を代表する名工
  • 日本刀を判断するのは鑑定者

改めて調べ直すと、堀川国広が現存しないのはとても残念ですね……。

兼定とセットで見てみたいものでした。

しかし、一番意外だったのは名刀にはもっと決まった鑑定ポイントがあると思っていたことでした。

考えてみれば古典文学が一面から評価できないように、名刀も均一的な基準で鑑定するものではないのかもしれませんね。

 

 




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